不十分な予算配分によりサイゴンの地下鉄と環境プロジェクトが遅延の恐れ

国家予算からの資金不足

ホーチミン市の2つの巨大プロジェクトの将来は、国家予算からの資金不足により危険にさらされています。
ベトナム南部都市の地下鉄第1号となる地下鉄1号線と、都市水環境改善プロジェクトの第2フェイズは、いずれも政府開発援助(ODA)によって資金供与されています。

ODAは国家予算の一部と見なされ、政府は特定のプロジェクトに資金を投入しますが、ホーチミン市の両プロジェクトに対するODAの配分が必要な金額に満たず、資金不足のために建設が中断直前の状況です。
ホーチミン市は、昨年第3四半期以来、工事を継続するために市の予算を割り当てる特別措置を実施し、請負業者に支払いをしていますが、市当局はこの一時的な解決策は長く続かないと言っています。

50%に満たない支払い状況

ホーチミン市1区のベンタインターミナルと9区のスオイティエンターミナルを結ぶ地下鉄1号線は、ODAによる総投資額41兆8000億ドン(187億米ドル)を予定しています。
ベトナムは地下鉄プロジェクトのために、3件の計31兆ドン(13億8000万米ドル)を超えるODA協定を締結しましたが、2017年4月現在、ODAの中からホーチミン市には34%しか支払われていない状況です。
ホーチミン市は、計画投資省とグエン・スアン・フック首相に繰り返し援助を懇請していますが、2017年分の予算に対しODAの追加配分は承認されていない状況です。
しかしながら、最終的に支払われた場合でも、ホーチミン市の予算は、請負業者への支払いに必要となる金額に対し不足します。

地下鉄プロジェクト

先月、計画投資省はフック首相に対し、2017年にODA予算から2兆1190億ドン(9460万米ドル)を地下鉄プロジェクトに配分することが必要との報告書を提出しましたが、それは実際にホーチミン市が同プロジェクトを実施するために必要な5兆4222億ドン(2億4205万米ドル)の40%に留まります。

多くの日系企業が地下鉄プロジェクトに関わっています。
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同様に、計画投資省は、ホーチミン市の都市水環境改善プロジェクトのために、2017年にODAから1兆2,000億ドル(5357万米ドル)を支払う予定ですが、実際には1兆6000億ドン(7,143万米ドル)が必要な状況です。
2016~20年の間の都市水環境改善プロジェクトの資金配分の見込みは、4兆1310億ドン(1億8442万米ドル)であり、実際に必要な8兆5000億ドン(3億7994万米ドル)の50%に満たない状況です。
プロジェクト管理委員会は、計画投資省がプロジェクトの資金不足を解消するための配分計画を調整するよう、ホーチミン市当局市に要請しました。

資金の不足による請負業者の補償

ホーチミン市は、地下鉄プロジェクト向けの財源6,000億ドン(2697万米ドル)の半分を水環境プロジェクトの建設を継続するための一時予算として計上しました。
しかし、資金の不足による請負業者の補償や銀行融資への利息の支払いが無駄になることから、ホーチミン市当局は、両方のプロジェクトが完了目標を達成するために必要な十分な援助額を引き続き要求しています。