ベトナムの揚げ料理

はじめに

揚げ料理は世界で多くの共通点がある料理です。例えばハトシ(広東語で蝦多士)英語でshrimptoastは、日本の長崎で食べられている食パンの海老のすり身を挟んで揚げた料理ですが、ベトナムのもバイン・ミーチン・トムと呼ばれる類似料理があります。そこで今回はベトナムの揚げ料理についてまとめてみました。

揚げるという文化の広まりについて

揚げ物というのは一説によれば東アジアで始まったと言われています。一方、日本なども含む西アジアは土器などで食材を煮る文化でした。

なぜ西アジアで揚げ文化が発達したかというと、中東などには当時オリーブの木などが自生していました。

このため調理に油を使用するという考えが生まれたのではと言われています。

その後、揚げ文化は中東やヨーロッパからシルクロードを経て中国に伝わり、日本やベトナムなどにも広まっていったようです。

ベトナムの揚げ料理、揚げ春巻き

ベトナムでよく知られている揚げ料理は揚げ春巻きです。これは米粉で作った皮を揚げたもので、生の時に細く切ると麺料理のフォーなり、食材を巻けば生春巻きとして食べられます。

有名なものとしては南部でよく食べられるチャーヨー、北部ではネムザン、フエという都市ではラム・フエなどが知られています。

チャーヨーはライスペーパー(米粉でできた皮)に豚挽き肉、カニ肉、エビのすり身などを包んで揚げたもの、ネムザンは同じ春巻きでも中身がかなり異なり、春雨、モヤシのような野菜、くず芋を海老、豚ひき肉と混ぜて団子のしたものなどを巻く料理です。

ラム・フエは揚げ春巻きの皮にゴマが入っているもので、中身には豚肉、エビのすり身などを使用し揚げます。葉野菜で包んだり肉味噌のようなタレにつけて食べます。

ベトナムで食べたい揚げ料理

ベトナムには揚げ春巻き以外にも様々な揚げ料理が存在します。これは食文化が中国の文化の影響を強く受けているためで、揚げる(ザン)は、炒める(サオ)、焼く(ヌオン)、煮る(ナウ)、茹でる(ルオック)、蒸す(ハップ)などと共にベトナムではとてもポピュラーな調理方法です。

例えばハノイの名物であるバイン・トムはエビを丸ごと米粉の粉で揚げた豪快な料理です。

また、バイン・トム・コー・グーは、サツマイモと海老をかき揚げ風に揚げた料理です。

日本の海老しんじょうにも似た料理だということです。他にもチャー・カー・ティー・ラという魚、エビ、豚肉のすり身などに香辛料、香草などを混ぜて揚げるベトナム風さつま揚げなどもあります。

この料理には甘めのチリソースなどをつけて食します。さらにクア・ロッ・チィエン・ボーという殻ごとまるごと食べられるソフトシェルクラブ(脱皮したばかりのワタリガニ)の唐揚げ、トム・ティ・ラン・トイというシャコのにんにく揚げなどがあります。

冬には屋台で揚げ物のおやつが売られる

ベトナムでは冬になると小さなお店で揚げサツマイモや揚げバナナなどが軽食として売られます。
こうした一口食べたい時の軽食としても揚げ文化はベトナムに浸透しているのです。
このような一見、見逃してしまいそうな素朴な揚げ物もベトナム料理の魅力の一つです。

まとめ

いかがでしたか?ベトナムには魚介を揚げたものから、春巻、練り物など様々な揚げ料理が存在しています。
地方ごとに名物の揚げ物があるようなので旅行の際にはぜひ調べてみてください。